第2章 少女の頃
雨が止んだのは、日も落ちた夜だった。
二人で屋敷に帰ると、父が心配そうな顔をして待っていた。
「二人とも大丈夫だったかい?どこかで雨宿りをしているだけだと思ってはいたけど、なにか怖い目にはあってないね?」
父がに優しい声音で問いかける。
「はい、桃弥お兄ちゃんがいてくれたから……心配かけてごめんなさい………」
「いいんだよ。桃弥と一緒に行かせて良かった。を守ってくれてありがとう」
そうの頭を撫でながら穏やかな笑みを浮かべる父に、全身の血の気が引いた。
まさか……もしかして………
そして、この日の嫌な予感が当たったのは二年後のこと。
の結婚相手が父だと知らされたのだ。