第2章 少女の頃
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「ずっと……見ていたのですか?」
「ああ。あの時、二人が口付けをしているのを見て確信したよ。君たちは私の望みを叶えてくれると」
「望み………?」
杏壱さんの告白に理解が追いつかない。
そんな私を置いて、杏壱さんはまるで夢物語を話すようにうっとりと語る。
「そうだよ。私はと桃弥の三人で愛し合いたいんだ。君の相手は私以外に桃弥しか考えられない。私も君以外を妻に取る気はないし、の血が入っていない子なんて愛せる自信もない」
だから、わかってくれるね。と、優しく甘い声で訴えかけられる。
「…………はい」
杏壱さんに捨てられては生きてはいけない私に、受け入れる以外の選択肢がない。
「、おいで」
抱き寄せられて、温かいお湯へと浸かる。
「杏壱さん、たとえ桃弥さんに抱かれても、私の心は杏壱さんのものです」
「君は本当、一途な子だ。その愛情を桃弥にも少しわけておあげ。あの子もまた君しか愛せない不憫な男なのだよ」
「………それは…わかりません……んんっ」
突然口付けをされて舌を絡め取られる。
長く深い口吸いが終わると、杏壱さんの唇が首から下へ降りていく。
「…はぁっ、私は…杏壱さんだけが、好きなの、に……どうして……」
「泣かないで、。私もお前だけを愛しているよ」
そんな甘い言葉を聞くだけで全身が満たされる。
再び抱き締められると、子宮が子種欲しさにきゅつと狭くなっていく。
───ああ、このまま…孕んでしまえばいいのに。