第2章 少女の頃
それはもう崇拝の域に近いものがある。
「今度は、杏壱さんにしてもいいですか?」
しゃがんで、目の前にある肉棒を口に含んだ。
浮き上がった血管を舌でなぞると、それは生き物のようにびくりと動いた。
「はこれが好きだね」
よしよしと頭を撫でられて、今度は鈴口に舌を絡める。
私のいいとこを刺激してくれるここは、特に丁寧に舐めると、杏壱さんの吐息が少し荒くなった。
「可愛い顔をして淫乱な子だ」
そうしたのは他ならぬ杏壱さんだ。
他の男の人では出来ないようなたくさんの悦びを教えてくれた。
顔を動かして、舌や唇を遣って奉仕をしていると幸せな気持ちになる。
「ふっ……ん……ん……」
硬いものが喉の奥に当たってえずきそうなのに、不思議な多幸感に包まれる。
「ん、はぁ……杏壱さん、私もう…我慢できません」
「もう?…本当にいけない子だ」
口から引き抜くと、自ら後ろを向いてお尻を突き出す。
「今すぐきて……杏壱さんが欲しいの」
「ふふ。そう焦るんじゃないよ」
腰を掴まれて、蜜口に先端が入っているというのに中々動いてくれない。
「もっときて……早く、欲しいの」
浅く出し入れを繰り返す杏壱さんに耐えきれずに、腰を揺らしてしまう。
「こら、勝手に駄目じゃないか。まったく、困った子だ」
後ろからため息が聞こえたと同時に、一気に奥まで突かれると動きがだんだんと激しくなる。
「あっ、は、ん…そこ、好きぃ」
私の求めていた通りに、気持ちいい場所をぐりぐりと刺激してくれる。
いままでと変わらず愛してくれる夫に安心して、昨日のことは無かったことにできる、そう思っていたのに……。
「そういえば、。桃弥との二度目の口付けはどうだったかい?」
杏壱さんの言葉に背筋が凍った。
「……どう……し、て………」
動きが止まって、恐る恐る後ろを振り返る。
「私はお前達のことなら何でも知ってるよ」
そう、不敵な笑みを浮かべる杏壱さんが、私を見下ろしていた。