第3章 焦り
五条side
帰りの飛行機に乗りながら携帯をみるけれども愛しのからの返信はなかった
「いつもならすぐ返すはずなのに」
少し嫌な予感がしながらも
今日は任務がないのは聞いてたし
学校にいれば安全だろなんて呑気なことを考えながら
乗る予定だった飛行機よりもずいぶん早い時間の飛行機で帰路についていた
「伊地知〜‥ってなにそんな真っ青な顔してんのウケる」
呪術高専まで帰ってくると
車の中で祈るように手を合わせながら真っ青な顔をしている伊地知がいた
「ご‥五条さん‥っ?!明日まで任務のはずじゃ‥」
転げ落ちそうになりながら車から飛び出してきて取り乱したように僕の顔を見る
「学長も人使いが荒いよね〜まぁ、最強にかかればそんなもんなんだけど」
「っ‥」
「‥‥伊地知?何があった‥?」
伊地知がおどおどとしている事は日常茶飯事だったから少し揶揄うつもりで声を掛けたのに
顔色はだんだんと悪くなっていく一方だった
「は‥?」
「っ!」
の名前を出した途端にびくりと揺れる身体に一気に血の気が引いて校内に向かって走り出す
「ま‥待って五条さん‥っ」
後ろから伊地知の引き止める声が聞こえてきたけど
そんなもん無視して医務室へと急行する
「もしもし‥‥虎杖、伏黒‥の具合は良くなった‥?アイツらが言ってた条件は‥」
急いで誰かが出入りしたのか開け放たれたままの扉からひどく動揺した硝子の話し声が聞こえてくる
こんなに動揺した硝子の声を聞いたのは
高専時代にが死にかけたあの事件以来だった
「アイツらの言ってた条件?はどこにいる?」
「五条‥っ」
後ろから話しかけるとびくりと硝子の肩が跳ねる
「もしもし‥‥家入さん‥?さんなら随分良くなって今は寝てますよ」
受話器越しから聞こえてくる恵の声
「で?はどこ?」
「っ?!」
硝子から受話器を奪い取って電話を変わると明らかに動揺したのが電話越しでも伝わってきた
「伏黒?どったの‥?家入さんなんて‥?」
悠二の声も聞こえてくる