第3章 焦り
五条side
「を助けてくれてありがとう」
おそらく時間との戦いだったはずで
僕や傑を待つ時間もなかったんだろう
心の中には複雑な気持ちが渦巻いていたが
お礼の言葉を口にする
部屋から出る時
少し目隠しをずらして2人をみると複雑な表情に顔を歪めていた
「お礼言ってもらうようなことなにも‥‥先生の前に立ってたの俺なのに‥」
ギュッと悔しそうにシーツを握る悠二の横で
恵も爪が食い込みそうなほど強く足を握っていた
「俺がもっと強ければ‥さんにこんな‥‥アイツらにあんな事されずに済んだんです‥‥すいません」
素直に頭を垂れる恵
『あ‥れ‥‥‥悟‥?』
僕の声に反応してうっすらと目を開ける腕の中の
「お待たせ」
ちゅ
と優しく形のいい丸いおでこにキスをするとくすぐったそうに目を細める
「じゃあ‥まったね〜!」
「「‥っす」」
項垂れたままの2人を背に早足で自分の部屋まで歩いて行く
『悟‥‥はやかったねぇ‥‥怪我はない‥?』
「バカ‥‥」
ようやく部屋の中に入って
ぼろぼろに乱れたその身体を思いっきり抱きしめる
『大丈夫‥?』
「僕のいないとこで勝手にいなくなんなよ‥‥」
気がつけばカタカタと小さく身体が震え出していた
忘れもしない
あの日
大切なの命が掌から滑り出していく感覚
恐怖が蘇ってきて涙が溢れた
そしてふと我に帰る
腕の中に抱きしめた身体の熱がみるみるうちにあがってきて
呼吸が荒く乱れ始めた
『はぁっ‥‥悟‥っ』
「まだ‥欲しい?」
おそらく強烈な効き目の媚薬なはず
耳元で話す僕の声にすら反応してかわいい声を漏らす
『んぅ‥っ‥まだ‥‥欲しい‥のっ‥』
こんなにも積極的なは初めてで
ゲンキンな俺の欲はあっというまにむくりと形をなす
「とりあえず‥風呂入ろっか」
洗っておいた浴槽にあったかいお湯をはる
部屋の中にまで湯気が充満し出して
乱れた制服を脱がしていく
「潜伏調査か?ったく‥こんなかわいい制服きせんなっての‥」