• テキストサイズ

四作目 石田秋彦

第1章 本編


帰宅しようとしていた頃、
二年生の女の子が、俺に話しかけてきた

「先輩、お疲れ様です。
今日も遅くまで残って総会してたんですね」

「そうだね、林田さんは?」

「え、わたしですか?いえ、先輩が残っているので
わたしも残っていただけです。何か問題でも?」

「怒っているとか?」

「いえ、別に怒ってません。
ほら、いいから!下校時刻迫ってるんですから!」

「わかった、今から、帰る準備するから!」

そして、俺は帰宅の準備をした。

「遅いですよ、先輩。ギリギリじゃないですか」

「ごめん」

「さっさと帰りましょう」

「怒っているの?」

「いや、だから怒ってませんって
どこ見て怒ってるって言ってるんですか」

「ごめん」

「じゃあ聞きますけど、先輩、
駅前にいましたよね?女の子と一緒に。誰ですか?」

「幼馴染だが?

「幼馴染、ですか…
先輩にも話せる女子がいたとは…知らなかったです」

「意外か?」

「い、いえ。別にどうもしません。先輩の勝手ですし…」

「そうだけど?」

「そ、そうじゃなくて!
遊びに誘って欲しかったって言ってるわけじゃありません!
うう〜…やっぱり、先輩にはわかりませんよね」

「それで?」

「なんでもありません!これで失礼します!」


後日、連絡先を交換した。

「これでよしっと。はい、先輩。
電話番号とメールアドレスで、
連絡がとれるようにしました」

「俺のことが好きなのか?」

「だ・か・ら!そういうことじゃありません!
なんで、わたしが、
先輩と仲良くなりたいって話になるんですか!
先輩のバカ!」

「俺は、バカかもな」

「いーですよーだ。今はわからなくても。
いつか絶対わかる日がきますから。
それまで首でも洗って待っててください。
それじゃ、今度こそ失礼します」

「なんだったんだ?今のは?」

二年生の女の子は、満足気だった。

「満足気じゃん、後輩ちゃん」

と、俺はボソッと言うのだった。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp