第1章 クリスマスイブはあなたの為に
「か、かか、カカシ先生…っ!」
ポケットに手を入れたカカシ先生の腕に目掛けて走りぎゅっと腕に抱きつく
「……っ!?」
確実に驚いているカカシ先生だが怖くてその表情が見えない
ぎゅっと瞑った目を少しずつ開ける
「楓、ちょっと…急にどうしたの……」
真っ赤になったカカシ先生は私が抱きついている腕を見ている
「えっ、あっ、え、えっと…」
理由も何も考えてなかった!!
えっと、サクラちゃんにはなんて言ってたんだったっけ…
「あ、あぁ、ありがとう!カカシ先生!いつも!ありがとうって思ったの!」
きっと私の顔はもっと赤いだろう
恥ずかしすぎてもう先生の方は見れなかった
「…楓、それはオレのセリフね。」
カカシ先生は抱きついた手をそっと解くとそのまま私ごと抱きしめてくれた
「えっ…か、カカシ先生…」
「はぁ、そういう可愛いこと他の奴らにやっちゃダメだからね。特にサイとかね、あいつほんと危ないから」
サイが危ない…?というのはどういうことなんだろう…
よくわからないけど、でも…
「カカシ先生、いい匂いする」
「ちょっと、それもやめて本当に。冷静に恥ずかしくなってくるから」
「ふふっ…ごめんなさい。でも本当にいい匂いするんだもん」
「はい、もうおしまい。」
カカシ先生は私を離す
「えぇ〜…」
「えぇ、じゃないの。帰るんでしょ。
荷物、こっち入れちゃいなさい」
カカシ先生は巻物をシュルルと開く
「あ、それでカカシ先生手ぶらだったんだ」
「大荷物大変でしょ。」
巻物に今日買ったもの一式をしまう
「で、はい。」
はい、といいながら先生は腕を私に伸ばす
「えっ?ん?どういうこと?」
「腕、さっきみたいに組んでくれるんじゃないの」
「えぇっ!?」
カカシ先生は耳を赤くしながら前を向いて腕だけ差し出している
その姿がおかしくて、そして嬉しくて
私はまた先生に飛びついた
「わっ…とと…。ほんと、可愛いんだから」
「カカシ先生、ありがとう」
「何がありがとうかよくわからないけど、どういたしまして。」