第1章 クリスマスイブはあなたの為に
「お疲れ様、食材班はどうだった?」
声をかけるとナルト君がニッコニコの笑顔で買ってきたものを見せびらかす
「完璧だってばよ!でっけぇチキン買ってきた!」
「はぁ!?あんた、それ誰が調理すんのよ!」
「サクラ、それは大丈夫。僕とナルトで外で火を焚いて作ることにしたんだ」
(さ、サイの家ってほとんど調味料とか調理器具がなかった気が…
ナルト君は昔腐った牛乳で盛大にお腹を壊していたし、雲行きが怪しい気がする…)
「サイって料理得意なの?」
「本を読むから大丈夫。いまから練習しておくよ」
「えぇ!?今からって、クリスマスは明後日なのよ!?」
(やっぱり…)
サイとサクラちゃんの会話を聞きながら納得する
「ははっ、なんだか面白くなりそうだね」
「ちょっとカカシ先生!?私たちが食べるんですよ!?」
「多少面白いくらいがいいじゃない。ね?楓」
突然話をふられて驚く
「えっえ、う、うん。さ、サイ…私明日手伝…
どうせ明日は予定がないし手伝うと言おうと思ったらサクラちゃんが割り込む
「ちょっと!楓は明日予定あるって言ってたじゃない!そっち優先しなよ!」
どうやらサクラちゃんは私とカカシ先生で過ごすクリスマスイブを諦めてないようだ
「あ、えっと、う、うん……」
流石にサクラちゃんの優しさを踏み躙ることはできずうん、と答えてしまう
ふとカカシ先生を見ると少し寂しそうな顔をしていた
(えっ!?えっ…?なんで寂しそうなの!?)
混乱しつつ、本当は予定なんかないと伝えたくても伝えられない距離であたふたしているとサクラちゃんが耳打ちしてきた
「やっぱり、カカシ先生明日予定なさそうじゃん。楓誘っちゃいなよ〜」
「サクラちゃん…!もう!無理だって…」
そのあとはみんなであまり来ない商店街を見て周り、解散する流れになった