第1章 クリスマスイブはあなたの為に
(あー!考えるのやめた!クリスマスイブなんだ!とことんラブラブしてやるっ!!)
なんならドキドキさせられた分やり返してやる!と私は意気込みながら
豚汁に入れるにんじんをハートにくり抜き鍋にいれる
「えぇい!好きだ好きだ好きだ!バカ!!」
ボチャボチャと音を立ててニンジンが鍋に入っていく
「…楓、何してるんじゃ」
「ひぇっ!?ぱ、パックン!?お、おかえり!」
「本当にカカシといい、楓といい…いつまでそうしてるんだか」
「ぱ、パックン、今のはね、ニンジンが好きでね…」
「カカシには内緒にしといてやるよ。
ほら、カカシの着替えじゃ。あいつの事だから2泊はするじゃろ」
(さ、さすがすぎる…)
「カカシも、楓の事が好きな気がしてるんだがなぁ…。まぁ生徒と先生じゃ難しいか。
応援してるからな。」
ペシっと柔らかい肉球で私の手にお手をする
(か、可愛すぎるよおおおお…)
「うっ…ありがとう…パックン……」
「そんじゃ。」
ボンッという音と共にパックンは消えた
ガタガタと扉を開ける音がするとカカシ先生が戻ってくる
「あれ?パックン帰ってきてたの?お礼言いそびれたな。」
「うん、言っといたよ。2泊分持ってきてくれてた」
「お〜さすがわかってるね〜。夕食はまだ作り終えてないよね?何か手伝えることある?」
カカシ先生がキッチンに立つとハートにくり抜かれた後のにんじんをみていた
「あ、それは私がもぐもぐするので…」
「ははっ、もう本当に可愛いな。こっちはサラダに盛り付けよう」
(優しいなぁ…)
私はカカシ先生の横に行き一緒に夕飯作りを再開した