第2章 名も無き
我が妻を探して辿り着いた地はどうも嫌な気配しかしない村
哭倉村···。
(女子の世話になってから霊力も戻ってきた。あの女子は何者じゃ?)
朝早くから起きて薪割りやら洗濯やら
飯の用意
さああ···
(··梅の香りが心地よい)
『···あなた』
(あぁ、岩子よ··もう少しでお主を見つけ··)
「····(もう時間かな。大分霊力も戻ってきたし私も···逝かなきゃいけない)」
✿✿✿
「何?お主···哭倉村に行くのか?」
「はい。ちょっと用事がありまして」
「····」
「どうしました?」
「もう1度聞く。お主は何者じゃ」
家の隣に大きい梅の木