第3章 ちりぢり
『····』
『すぅ···すぅ···』
あれは、ゲゲ郎に、
「桜さん?」
雨は止み景色がうつり変わった
『私は哭倉村に参ります』
『お主は、なにものなんじゃ?』
すっ
『あの村に貴方の捜し物はあります。見つかるといいですね』
『世話になった』
『···岩子さん、もう少しの辛抱ですよ』
ざざざっ!!!
「わっ!」
椿が舞い上がる
俺は手探りで進んだ
「桜さん!貴女は··貴女は··ゲゲ郎と同じ··」
くるっ
『·····?』
「貴方は幽霊族の··生き残りだったんですね!?」
ざざざっ!
『···今、名前を呼ばれた』
私は散らばった椿の木の下で呼ばれた場所を見やる
そこにあるのは
斧