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あの日見た紫の思い出
第15章 そして
「ウォーター……!」
だいぶ僕の声が枯れ始めた頃には、周りの火はほとんど消えかかっていた。
「やったな」
僕の隣で魔法の補佐をしてくれていたお兄さんが力なく笑ってそう言った。僕はこくりと頷いた。
それからゆっくりと大蜘蛛の社へ目を向ける。下の方はわずかに焦げてしまっていたが、全焼は免れている。
「これで、大蜘蛛は……」
僕はお兄さんを見上げる。お兄さんは僕の肩に手を置いて呟いた。
「終わったんだ」
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