第14章 阻止 × 宴
「クロロの言う通りだよ★明日の朝、ボクも”彼”に用事があるから一緒に行こう★」
『そうなの?…んーわかった。朝早いなら今日はもう寝るね。でも、またみんなで飲むときは絶対呼んでね!約束ね!』
そう言ってにっこり笑うサクラに、しばし釘付けになるクロロ。その様子に気づいたヒソカはくつくつと笑いを漏らした。
『ヒソカ、笑ってないで明日ちゃんと起こしてね?』
「わかったよ◆おやすみサクラ◆」
『うん、おやすみ!クロロも、おやすみなさい。今日はありがとう!』
「…ああ。おやすみ」
それを聞いたサクラはこくりと頷き、他の団員にも挨拶をしてから部屋を案内してもらうためパクノダと一緒に出て行った。
「クロロ◆」
「……」
「サクラ、いいだろう?」
「……」
「無自覚なところがまたソソるよねぇ★」
「…うるさい」
「…早くしないと”彼”のものになっちゃうよ?クロロ◆」
そう言い残し、ヒソカもまた部屋から出て行った。
「ヒソカ"も"なのか…?いや、まさかな」
(俺はどうしたい?彼女を行かせたくないのは確かだ。だが、それでどうする?)
考えても答えが出るわけもないが、目を瞑れば彼女の笑顔が浮かんできて頭から離れない。クロロは手元にあった酒をあおり自室へと戻った。