第14章 阻止 × 宴
「他にサクラに対して何か思うことがあるやつはいるか?」
クロロが全員を見渡す。一番疑り深いフェイタンが認めたことが影響してか、他に何か言う者はいなかった。
「よし、じゃあ仕事の話をする。サクラはさっきの部屋で待っていてくれるか?」
『え、でも私…』
「そんなに急がなくてもいいだろう。ここで会えたのも何かの縁だ。もう少し時間をくれ。」
『う…』
寂しさを滲ませた瞳に覗き込まれ、視線を泳がすサクラ。
シャル「そうそう!このあとサクラの歓迎会するんだよね。」
ノブ「なにぃ!それはサクラがいなけりゃ始まらねーなぁ!」
シャルナークがそう付け足すと、ノブナガがかっかと笑いながら言う。
「だそうだ、な?」
『…わかった。』
早くイルミのところに行きたいサクラだったが、自分のために気を遣ってくれる彼らに承諾せざるを得なかった。
しかし、このとき強く断らなかったことをサクラはのちに酷く後悔することになる。
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クロロの仕事の話が終わり、そのままサクラの歓迎会と称した宴が開かれた。
たくさんの料理に、たくさんのお酒。
初めはどこかぎこちなかったサクラと団員だったが、お酒の力もあってかすぐに打ち解けていた。
フィン「おーサクラは結構いけるんだな!」
『うん!お酒好きだよ。ねぇパク、これすごくおいしい!』
パク「そう、よかったわ。」
『今度私にも作り方教えて?』
パク「ええ、サクラにならいつでも教えてあげるわ。」
フィン「サクラ、料理するのか?」
『うん、ひと通りはね!ずっと一人暮らしだったから』
フィン「作ったら俺に食わせろよ。」
シャル「あっずるい!俺も食べたい!」
フェイ「ワタシにもよこすね」
サクラとフィンクスとパクノダで喋っていると、いつの間にか他の団員も集まってくる。クロロはそれを少し離れたところから見つめていた。
サクラは元気で明るくて、よく笑う。そういう雰囲気が人を寄せ付けるのだろう。
「クロロ◆」
「…なんだ、ヒソカ。」
サクラを見つめたまま返事をする。
「サクラのこと行かせないつもりだろう?◆」
「なんのことだ」