第14章 阻止 × 宴
(サクラってば、知らないからな…)
満更でもないサクラの様子を見ながら、ネーロは心の中で深いため息をついた。
───────
「みんな集まってるな。今回は大きな仕事があって集まってもらった。だがその前に紹介したいやつがいる。」
クロロは、髪をおろしてリラックスしている。
(青年クロロめちゃくちゃかっこいいんですけど!!!)
青年モードのクロロに見惚れるサクラ。抱っこされているネーロはこの様子に呆れて、急かすのを諦めた。
「…?サクラ?聞いているか?」
『は、はい!ごめんなさいっ』
「どうした、ぼーっとして。」
クロロはそう言いながらサクラの頬に手を延ばして触れる。突然の行為にびくっと体を揺らしたが、そのまま受け入れる。
「ふっ…顔が赤いが大丈夫か?紹介したいんだが。」
『うん!だ、大丈夫だよ!』
「…そうか。みんな、こいつがさっき話したサクラだ。」
『初めまして!サクラといいます。よろしくお願いします!!』
がばっと深くお辞儀をしてから前方を見渡す。ほとんどが温かい眼差しで見てくれていたが、中には怪訝そうに見ている者もいた。
それもそうだろう。
自分がどこから来て、この世界がどういう世界でなんて話をすぐには信じ難いだろう。怪しく思われて当然だ。
「…そいつ、本当に信用できるヤツね?ワタシわからないよ。」
(わぁフェイだ!ちっちゃーい!かわいーい!)
疑いをかけられているのも構わず、ニコニコとフェイタンを見つめるサクラ。
「…なんね、こち見て。」
『かわ…いえ、何でもないです。でも私、本当に悪意があってここにいるわけじゃないんですよ?』
「それが信じられない言てるよ。」
『うーん…』
唸りながらサクラはフェイタンに近づいてみる。そして、彼にしか聞こえない声で
『 ───── 』
ぼそりと呟いた。
「!!なぜそれを知てるか!?」
『ふふっこれで少しは信じてもらえますか?』
「……わかたよ。」
観念したようにフェイタンは、サクラに対する警戒を解いた。