第14章 阻止 × 宴
「サクラ!◆」
『え、ヒソカ!?』
目の前に現れた意外な人物に目を見開くサクラ。ヒソカはサクラの姿を見るなり駆け寄って抱き締めた。
『わっ!』
「…サクラ、探したよ◆」
『ヒソカ…。ごめんね急にいなくなったりして。』
抱き締められているため表情は見えないが、ヒソカの声がいつもとは違う真剣な声で本当に心配してくれていたことがすぐにわかった。
「どこに行ってたのかな★」
『あ、えっと…』
「…そこまでにしてもらおうか。」
べりっ、という効果音がつきそうなくらいの勢いで、サクラはクロロの手によってヒソカから離された。
「ああ、キミもいたんだね◆」
「お前な…」
くっく、と笑うヒソカはもういつも通り。
『ヒソカ、心配かけて本当にごめんなさい。でも、もうどこにも行かないからね!』
「サクラが元気そうでよかったよ◆それより…彼にはもう会ったのかい?」
『…ううん、まだ。』
「彼、キミのこと必死で探していたよ◆こんなところにいないで早く会いに行った方がいい★」
『うん、そうだよね。(イルミ…探してくれたんだ。)』
ヒソカの言葉に嬉しさを隠せないサクラは自然と顔が綻ぶ。
「…サクラ。」
クロロが堪りかねて声をかける。その”彼”という存在がサクラにそんな顔をさせていると思うと、なぜか心が騒いだ。
『クロロ、私そろそろ行かな「駄目だ。」え…?』
「いや…そろそろ団員も集まるからお前を紹介したかったんだが…そのくらいはいいだろう?」
有無を言わせない物言いと真っ直ぐな瞳で見つめてくるクロロに目が逸らせない。他の団員たちに会いたい気持ちもあってか、どうしても断る気持ちになれないサクラ。
『じゃあ少しだけなら…』
「そうか、よかった。」
嬉しそうににっこり笑うクロロにサクラは頬を赤くした。
(おや、これは…★なんだか面白くなりそうだねぇ★)
ヒソカはこれから起きるであろうことを想像し、にやりと顔を歪めた。サクラを見つけたことの嬉しさに、少なからずヒソカも気持ちが舞い上がっていたため、イルミにすぐにでも報告しようと思っていたが今となってはそんな気持ちは消え失せていた。