第13章 帰還 × イタズラ
「…どういう意味だ?」
『私はこの世界の人間ではありません。』
「……」
「え、そうなの?」
サクラの言葉にシャルナークは驚きの声を上げたが、クロロは何も言わずにサクラをじっと見つめ続ける。その目は”続けろ”と促しているように見えてサクラはそのまま言葉を続けた。
『まず私がいた世界では、この世界は漫画の中なんです。』
「はぁ?サクラ、何言ってるの?」
「シャル。………それで?」
『あ、はい。それで、あることをきっかけにこの世界に飛ばされてきました。方法は…』
ちらり、とクロノの方を見てみると少し首を横に振った。
『方法は…ごめんなさい、今は言えません。ただ、私がこの世界に来るのは2度目なんです。そのときに既にヒソカと会っています。そして訳あって一度自分の世界に戻りました。でも、私はもう元の世界にはいたくなくて…。』
会いたい人がいるとは言わなかった。イルミのことも隠した。余計なことを話せば信じてもらえずに、変に疑われるような気がした。
『私の世界では、この世界は
”HUNTER×HUNTER”という漫画の中のことで、幻影旅団のことももちろん載っています。漫画ではだいぶ先まで時間が進んでいますから、大げさに言えば”未来”がわかります。わかるのはその漫画が進んでいるところまで、ですが。』
「未来、ね。」
シャルナークは訝しげにサクラを見る。サクラの話を信じられないでいるようだったが、クロロは何かを思案するように顎に手を当てて目を瞑っている。
しばらくして、
「サクラ。俺たちに関わることで何か先のことを言ってみろ。」
『えぇと、そうですね…今何月ですか?』
「8月だ。」
『では、もうすぐヨークシンでオークションが開催されますね。そこに集まる品を全て奪うため、クモのメンバー全員招集を考えてる。』
「え!団長そうなの?」
「……面白い。サクラ、気に入ったよ。」