第3章 質疑応答 × 接近
「サクラって言ったよね?何しにここに来た?目的は?」
『え、えっと…』
「返答次第では殺す」
(この人すぐ殺すって言う…)
『よくわからないんです。』
「…どういうこと?」
『私もなんでここにいるかわからないんです。だから目的はありません。できれば早く家に帰りたいです。ちなみにここどこですか?』
「……」
『あの…?イルミさん、聞いてます?』
(嘘は言ってないか…)
「ここはククルーマウンテン。サクラはジャポン人?」
『クルクルマウンテン?私、外国にきちゃったのかな…』
「ク ク ル ー」
『どっちでもいいです!今はそれどころじゃないです!』
「…」
あら?なんか嫌なオーラが…
ちらりとイルミを見れば、なんとなく不機嫌そうな気がした。
『す、すすすすすみません!えっと?なんでしたっけ?じゃぽんじん?』
「…もういいよ。で、サクラはこれからどうするの?」
『どうしましょう?』
「知らないよ。オレは関係ない」
『そんなぁ!イルミさん冷たい!』
(でもほんとどうしよう…)
しゅんと俯くサクラを見て、イルミがようやく腕を離す。そのままサクラの頭にぽんぽんと手を置いた。
「…ここにいる?」
『え…』
「そのかわりオレと同じ部屋にいてもらうけど」
『そっそれはちょっと…(いち男女が同じ部屋では過ちが…ほら、ねえ?)』
顔を真っ赤にしてぶつぶつ言っているサクラをじっと見つめ、
(オレ何言ってるんだろ…こんなの放っておけばいいのに)
考えと行動がばらばらな自分に、イルミは少し首を傾げる。
『な…っ!!?!?イルミさん、それはダメです!ずるいです!』
「は?何が?」
『そんな可愛い仕草されたらどうしたらいいかっ…!』
「(かわいい?)何言ってんの。同じ部屋っていうのは冗談だから。別の部屋用意させる」
『ってことは、ここに居てもいいんですか?』
「しょうがないからね」
『あ、ありがとうございます!!』