第11章 ハンター試験④
『ん…っ』
「サクラが悪いんだよ」
『何それ、もう!』
「ココ、オレのって印つけたから」
『な…っ!?』
とん、とイルミに指された場所には先程口付けられていた首から肩にかけての部分。
最後のキスで赤く色付いていた。そのあともご満悦なイルミの腕がほどかれることはなく、サクラは大人しくイルミに身体を預けることにしたのだった。
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「サクラのは何番?」
『89番だけど誰?って感じ。』
「誰でもいいよ別に。適当に6点集めればさ」
『そういうもんなの?あ、イルミは何番?』
「オレは371番。これは大体わかってる」
『そうなんだ、さすがイルミ!』
「さっさと殺って早めに終わらせるよ。早く休みたいし」
『はーい!』
「サクラは何があってもオレから離れないこと。離れたら…わかってるよね?」
『はーい…』
「ん、じゃあ行くよ」
二人は洞窟を出て島を探索していた。
イルミのターゲットを探しつつ、適当な受験生を狩る作戦で、事は順調に運ぶと思われた。
しかしサクラの頭痛から異変は始まった…
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「た、頼む!最後にヒソカと…やつと戦わせてくれ!」
「…10数えるからさっさと行きなよ」
二人はイルミのターゲットである371番の男と対峙していた。イルミは背後から攻撃を仕掛けて深い傷を負わせたあと、気まぐれなのかターゲットを逃がした。
交換条件として371番のプレートは置いていってもらったが。
「ヒソカのところには行きたくないなぁ。プレートももらったし。でも、ターゲットだしなぁ…サクラ、この辺で隠れてる?」
『やだ!イルミと一緒に行く!』
「なんで?ヒソカに会いたいから?」
『違うよ!イルミと離れるの不安なんだもん。それに!離れるなって言ったのはイルミだよ?』
「んーまぁしょうがないか」
『そうそう、約束は守らないとねっ!』
「なんか生意気」
ぎゅっとサクラの鼻をつまんでやる。
『ふぎゅ!』
「変な声」
『離してぇぇ!』
そんなちょっとしたじゃれあいが楽しく感じるサクラ。イルミといることに居心地の良さを感じ始めていた。