第10章 ハンター試験③
『っ!もちろん!ちゃんと謝りたいし…』
「サクラはいいコだね◆」
ぽんぽんとサクラの頭を撫でるヒソカの手が大きくて優しくて、安堵する。
『ヒソカはやっぱり優しいね…ちょっと元気出た。ありがと。』
「どういたしまして★とりあえず先に進もうか◆」
『うん!』
───────
薄暗く長い道が続く。
時々四方から襲いかかってくる敵がいたが、ヒソカが愛用のトランプで難なく倒していた。
(薄暗くてよかったー…多分血だらけだよね、みんな。)
「サクラ、大丈夫かい?」
『うん平気!というか私なんにもしてなくてごめんね。ヒソカ強いから頼りになるなぁ』
「くっくっく◆サクラは可愛いね★…おや、行き止まりだ◆」
目の前には壁があるだけでどう見ても行き止まり。ずっと一本道だったため道を間違えるはずがなかった。
『あれ?おかしいね?』
「……◆」
ヒソカが目の前の壁に触れた瞬間、
ゴゴゴゴゴ…
重たい音と共にその壁が横に動いた。
開いた扉の先には黒い影。
「待ってたぜ、ヒソカ」
影の正体は不敵な笑みを浮かべている男だった。
「今年は試験官ではなく、ただのリベンジャーとしてな」
『ヒソカ、知ってる人?』
「まぁね◆サクラは下がっててよ★ボクが殺る」
ヒソカに言われた通りサクラは部屋の隅に移動して見守る。
男は曲刀を取り出した。
「去年の試験以来、貴様を殺すことだけ考えてきた。このキズの恨み…今日こそ晴らす!!」
そう言うと凄い早さで曲刀を廻し出すが、ヒソカは平然としている。
「ふーん、その割りにはあまり進歩してないね★
…………!」
「くくく、ここからだ」
男は余裕の笑みでもう一本の曲刀を出して廻す。更に二本追加された。
『え、四本!?』
サクラはその男の技に驚きを隠せず、つい声をあげてしまった。
「くらえ!」
男が曲刀を投げつけるがヒソカはさらりと交わす。その瞬間に間合いを詰められて切りつけられる。更に後ろからの曲刀にも切りつけられた。
「死ね!!!」
再び投げ飛ばされる曲刀。
しかしヒソカは次は避けることもせず、いとも簡単にそれを受け止めてしまった。