第9章 喧嘩 × 料理
こんなのできるわけがないじゃないか。
ギタラクルやヒソカやキルアと違って自分はただの人間だ。
運動神経も人並み、器用でも力があるわけでもない。
(どうしよう…)
困り果てていると急に腕を引っ張られた。引っ張る力が強すぎて、サクラはそのまま谷底へ真っ逆さま。
『ぎゃああああ!!!まだ死にたくなぁぁぁい!!』
「サクラ、いいから落ち着いて」
『へ?』
聞き慣れた声に我に返れば、真横にギタラクルの顔があった。
『わぁっ!びっくりした!ギ、ギタラクルも落ちたの!?』
「…何言ってるの。どうせできない、どうしようとか思ってたんでしょ?」
はい、図星です。
彼はたまに読心術を使う。いや、私がわかりやすいのか。
「サクラは顔にすぐ出るからね」
ほら、また。
『人の心を読まないでくださーい。』
「はいはい。いいからちょっとオレの首に捕まって。早く」
『は、はい!こう?』
急かされて焦ってギタラクルの首にしがみつく。
瞬間、ギタラクルは糸に捕まりクモワシの卵を2つ取った。
「こんなところでサクラだけ不合格になったんじゃ一緒に来た意味ないからね」
『ありがと、ギタラクル。』
「うん。あ、そのまま掴まっててね、登るから」
『はーい!』
第二次試験合格者42名。
おまけ→