第7章 ハンター試験①
二人はザバン市に到着。
見覚えのある景色にサクラはまた違和感を覚えるが、頭痛を避けるため考えるのをやめた。
「サクラ、お腹空いてる?」
『へ…?いやまぁそれなりには空いてるけど』
「そ、ならよかった。」
そう言ってイルミはあるお店に入っていく。
…まただ。また見たことある。
なんなのよこれは。頭おかしくなったかな。
考えるのをやめてもやめても見たことのある景色が映って嫌気がさす。
(でもイルミにばれたらまた色々聞かれちゃうし、頭痛で倒れたら迷惑かけちゃうし、気を付けなきゃ!)
何度目かわからない、余計な考えを無理矢理消した。
「いらっしぇーい!!」
イルミが入ったのは定食屋だった。おじさんの元気な声が出迎える。
「御注文はー?」
(ステーキ定食…)
「ステーキ定食。」
「…焼き方は?」
(弱火でじっくり…)
「弱火でじっくり。」
「あいよー」
「奥の席へどうぞー」
女性の店員さんが個室に案内してくれた。
(当ってたよ、もう…本当になんなんだ)
イルミが言うことを予言みたいにわかってしまったサクラ。
『わぁ!おいしそう!』
「サクラ食べていいよ。オレいらないから」
『いいの!?やったぁ!!ステーキだいすき!!』
さっきの出来事で焦る自分を隠そうと必死で明るく振る舞うサクラ。イルミにはうまく隠せたようで、サクラのことを気にする様子はなく愛用の鋲を磨き始める。
『このステーキおいしーい!』
(とりあえずばれてない、かな…?)