第6章 過去
「サクラ姉様!」
『ん?あ、カルトくん。おはよう!』
(…かわいい!)
「おはようございます」
イルミの部屋に向かおうとしていたサクラは、廊下でカルトと会った。朝から元気な笑顔を向けるサクラに、カルトK.O.!
「姉様、何してるの?」
『イルミのところ行こうと思ってさ。』
「そっか」
『カルトくんはどしたの?』
「サクラ姉様に遊んでもらおうと思ったんだけど…。ダメ、だよね?」
しゅんとしながら聞いてくるカルトに、サクラはぶるぶる震える。
(なんって可愛いの!男なんて嘘でしょ!)
萌えていた。
『カルトくん!』
がしっとカルトの肩を掴む。
その表情はなぜか真剣そのもの。と思ったらすぐににっこり笑って。
『お姉さん遊んであげる!』
「え、でもイルミ兄様のところに行くんでしょ?」
『うん、でもすぐ終わる用事だから大丈夫!遊ぼ!』
ぐっと親指を立てて言うサクラ。カルトは嬉しそうに笑って、頷いた。
『イルミー、入っていい?』
「いいよ」
イルミは愛用の武器を磨いていたが、サクラとカルトの姿を見て手を止めた。
カルトはイルミの部屋へ行くのを拒んだが、「すぐだから」とサクラが強引に連れてきたのだ。