第5章 スキンシップ × 兄弟
長兄のどす黒いオーラに怯える3人。
カルトは急いでサクラから離れ、キルアは慌ててサクラの手を離す。
イルミのそのオーラに耐えられなくなった弟たちはじゃあまた、と言いながらそそくさサクラの部屋を出て行った。
どたどたとサクラの部屋を出て、急いで離れる。
そうでもしないとあの長兄に殺されかねない。
「イ、イル兄絶対、サクラのこと好きだよな!」
キルアがまだ怯えながら言う。
「ああ、多分な」
ミルキが頷く。
「え、そうなの?ただの居候ってイル兄様言ってた。」
純粋なカルトくん。まだまだお子様です。
「ばーか。ただの居候なのに、俺たちがちょっとサクラと話しただけであんな不機嫌になるかよ!」
「だよな」
「えー…サクラ姉様と仲良くしたいのに」
「「それはわかる!」」
カルトの言葉に激しく同意するミルキとキルア。
「しかもさー、あの感じだとイル兄自身まだ気付いてないぜ?」
「面白いおもちゃって感じだろうな、イル兄的には。」
「じゃあまだサクラ姉様と仲良くなれるチャンスあるかな?」
目をキラキラさせて兄2人の言葉を待つカルト。
カルトくん、完全にサクラに惚れちゃったようです。
「…うーん。サクラ次第だろうな。」
「イル兄様次第じゃなくて?」
よくわかんない、と首を傾げるカルト。
キルアは両手を頭の後ろで組みながら考える。
「お前らバカだな」
ふふん、とミルキが得意気に鼻を鳴らす。
「サクラがオレらと仲良くしたいと思ったならイル兄はあんまりうるさく言えないだろ?」
「「なるほど!」」
納得する弟たち。そしてあわよくば…とそれぞれ妄想を膨らましてニヤリと笑う。
「「「誰が一番サクラ(姉様)と仲良くなれるか勝負だ!!」」」
こうして3人のサクラ争奪戦が始まるのだった。