第5章 スキンシップ × 兄弟
『イルミ、この人たちは…?』
「ん、オレの弟たち。」
『弟?イルミ、弟なんていたの?』
「うん。5人兄弟」
『早く言ってよイルミ!居候の私が挨拶しないでどうすんの!』
そう言って慌ててベッドから降りて、服のしわを直すサクラ。
『あ、あのサクラって言います!2日前から住まわせてもらってます。挨拶が遅くなってごめんなさい!!』
かなりの大きな声でそう言うと大きくお辞儀をした。
あまりの勢いに面食らう3人の弟たち。
「サクラ、声大きい」
『あれ?うるさかった?』
ごめん、と笑いながら肩を竦めるサクラを見て、弟たちはその可愛らしさに一発でやられてしまった。
そしていち早くカルトがサクラに近づいていく。
「サクラ姉様、僕はカルトです。よろしくお願いします」
ぺこり、と可愛らしくお辞儀するカルト。
さすが着物を着こなすだけあって、動作にも品がある。
『かわいーっ!あれ?でも、僕ってことは男の子?』
「カルトは男だよ」
『えーっこんなに可愛いのに!カルトくんよろしくね!』
よしよしとカルトの頭を撫でるサクラ。
撫でられながら、後ろにいる兄2人を見てカルトはニヤリと笑う。
((こいつ…っ!))
カルトに先を越された兄2人も慌ててサクラに近づく。
「オレはキルア。サクラよろしくな!」
握手を求めるキルアに、サクラは嬉しそうに手を握り返す。ここぞとばかりにその手を離さないキルア。
「オレはミルキだ。困ったことがあれば何でもオレに言えよ」
兄貴風を吹かせてサクラとの関わりを増やそうとするミルキ。弟2人が冷ややかな視線を送る。
「キルアくんもミルキくんもよろしくね!」
水面下の争いには当然気付かず、ただただ歓迎的な雰囲気に喜ぶサクラ。
にっこり満面の笑顔で弟たちに挨拶をした。それを見た3人はまたしても、ノックアウト。
「サクラはただの居候だから。それより、いい加減にしないと…」
「「「ひぃっ!?」」」