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【H×H】ずっとそばにいて【イルミ】

第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★





────ヨークシンにて




サクラとイルミはオークション会場付近まで来ていた。
近くのビル影から様子を伺う。


『静かだね…もう持ってかれちゃったかな?』

「さぁね。見てみないとわからないんじゃない?」

『そうだね…』


警備はドアの前に2人。裏口に1人。世界最大の大競りと言われている割にはお粗末な警備体制だった。


「これなら簡単に入れるよ」

『私は何をすればいい?』

「何も。ちゃんとついてきて」

『わかった。』


人目につかない裏口へ近づき、イルミが警備の人間に針を投げる。どさり、と警備員が倒れるが死んだわけではないようだった。


『眠ってる?』

「うん。こんなの殺したって無駄でしょ。ほら入って」


あっさり開いた裏口へ入るよう促され、そっと中へ入った。
中にも警備員が数名いたが、イルミが死角から針を投げていき気絶させていけば、簡単すぎるほどあっけなく金庫に辿り着いた。イルミは先ほどの警備員を1人操り金庫を開けさせて中を確認する。


『まだあるね!間に合ったみたい。よかった!』

「このまま中で待とうか」

『え?』

「標的を待つにはここが確実だろ?」


確かに。裏口からここまでに身を隠せる場所はなかった。
梟の目的はここにある競売品だ。ここに必ず来るだろう。ただ…


『警備員さんたちがみんな寝てたらさすがに怪しまれない?』

「それは大丈夫。そろそろ目が覚める頃だから。操ったやつにもちゃんと命令は出してある」



さすがイルミ。抜かりない、というかなんて使い勝手がいい能力なのだろう。



「サクラ?」

ふいに呼ばれてイルミを向くといつの間にか床に座っていて手を引かれた。


『なぁに?』

「ここ座って」


示された場所は胡坐をかくイルミの足の上。くい、と再度手を引かれて急かされる。


「早く」

『いつくるかわからないのに……わぁっ!?』


強引に手を引っ張られて体制を崩したサクラはイルミの希望通りに座ることになった。横抱きのような体制で。
そのまま、じいっとイルミの黒い瞳が覗き込んできてそのまま顔が近づいてくる。


(…ここで!?)
『イルミ、待っ……んんっ』


イルミの少し冷たい唇が重なってすぐに離れる。が、またすぐに口付けがおりてきた。



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