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【H×H】ずっとそばにいて【イルミ】

第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★





『ごめんね、こればっかりは“数時間前“としか書いてなかったから…』

「…いや、だがそれが今考えられる最善かもしれないな。」


クロロは思案する。サクラとイルミに頼りきりになるが、利用できるものは最大限利用する。そして団員を失うことがなければそれでいい。


「…イルミやれるか?」

「早く帰れるならなんでもいいよ」

「そうか。ならば任せる。」


イルミは返事の代わりにはぁと息を吐いた。



「サクラとイルミはすぐヨークシンへと向かってくれ。いつくるのかわからないならば早く対処した方がいいだろう?」

『うんわかった!イルミ行こう?』

「…うん」


自分で早く帰れるなら、と了承したもののイルミは気乗りしなかった。すっきりとしない感覚がイルミの中に渦巻いている。だが、漠然とした何の根拠もない勘でしかなく今はただ動くしかなかった。



『イルミごめんね?』

「なにが?」

『面倒なことになったよね…』


サクラは少し目を伏せてしょんぼりしながら不安そうにイルミの手を握った。自分の提案が本当に最善なのか、自信はなかった。


「…気にしなくていい。早く帰れるなら多少面倒でもやるよ。それに…」

『…?』

「あいつらと行動するくらいならサクラと二人で動いた方が楽だ」



イルミなりの励ましなのだろう。そう言ってサクラに握られた手を優しく握り返し、空いた手でサクラの頭を撫でた。


『…ありがと、イルミ。』

「ん。少し急ごうか」


イルミはサクラの指に自分のを絡めて繋ぎなおすと、少し強めに引くように歩き出した。
間に合うか間に合わないか、そんな賭けみたいな不確定要素に時間を費やすなんて今までの自分には考えられないことだった。


(ちょっとサクラに感化されすぎ…?自分の勘がよく当たることも分かってるのに…まぁいいや)


なんとかなるだろうとそれ以上考えるのをやめ、サクラにちらりと視線を向ける。
不安が晴れたのか、曇っていた表情が少しだけ綻んでいるサクラを見て


(サクラは危険な目に遭わせない。誰にも傷つけさせない。それだけは何があっても変わらない)



そう心に決めたのだった。



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