第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★
「今回の仕事、俺たちの邪魔をするやつはいるか?まぁ大したことないだろうが聞いておきたい」
『っ…』
サクラは決めていた。ヨークシンで起きることは必ずクロロに話そうと。
パラレルワールドなら物語を変えたとしても何も影響はない。それならば必ず救済ルートにしたかった。
『…いるよ。そのせいでウヴォーさんが死ぬことになるし、その影響でいずれパクも…』
「…何?」
『私は絶対に誰も死なせたくない。だからクロロ、これから私が話すこと全部信じてくれる?』
「…わかった。話してみろ」
『でも、その前に1つだけお願いがあるの。』
「なんだ?」
『これから話すことは団員のみんなには言わないで。』
「…なぜだ?話しておいた方が動きやすいだろう?」
サクラは言葉に詰まる。クロロの言うとおりだ。みんなに話してほしくないと言うのはサクラのただの我が儘であり、自己満足でしかない。
誰かが死ぬ未来を、知ってほしくなくて。本当ならクロロにも話したくはなかった。仲間を大切に想う人だから。
それでも、誰にも話さないで救うことは自分には無理だと思った。
(私が弱すぎるせいで…ごめんね、クロロ。でもだからこそ絶対に誰も死なせたりしないよ。)
『…何も聞かずに、お願いクロロ。知ってることは全部話すから。ね?』
少し切なさを孕んだサクラの目を見て少し考えるクロロだったが、これ以上聞いても何も答えないだろうと判断してサクラの申し出を了承した。
『ありがとう、クロロ!』
そして、これから起こること全てをクロロとイルミに話した。元の世界で何度も何度も読み返していたため全て事細かく覚えている。
どこで何が起きるのか。そのためにどう動けばいいのか。クロロとイルミもサクラの話を真剣に聞いてくれていた。
それが単純にうれしかった。
『…以上が今回の仕事で起きることだよ。一気に話しちゃったけど大丈夫?』
「ああ、ありがとうサクラ。よくわかった。」
「…そのクラピカってやつ、オレ知ってるよ。こないだのハンター試験で合格もらってた」
「そうか。それならイルミとサクラにはそいつを探してもらおうか。」