第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★
「全部だ」
団長モードのクロロは集結した団員を見渡しながら告げる。
「地下競売のお宝、丸ごとかっさらう」
団員たちはさして驚く様子もなく、中にはこれから起こるであろうことに期待を寄せて笑みを浮かべる者もいる。
ウボォ「本気かよ団長 地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる 手ェ出したら世の中の筋モン全部敵にまわすことになるんだぜ!!団長!!」
「怖いのか?」
クロロは挑発するように静かにウボォーギンに問う。
ウボォ「うれしいんだよ…!!命じてくれ団長 今すぐ!!」
「オレが許す 殺せ」
邪魔する奴は残らずな
「おお!!」
ウボォーギンは嬉々として雄叫びを上げた。
マチ「ところで団長」
「なんだ?」
マチ「サクラは?」
「ああ、もうすぐ来るんじゃないか?」
パク「あら、サクラも来るの?大丈夫かしらあの子」
「…1人じゃないからな」
「くっくっ◆」
『こんにちはー…』
マチ「あ、来たみたいだね」
「ああ、マチ行ってやれ」
マチ「はいはい」
クロロの様子を気にしつつ、サクラを迎えに行く。
『マチ!久しぶりー会いたかった!』
マチ「元気そうだねサクラ、と…」
『あ、えっと…イルミ、だよ。私の…彼氏』
「どうも」
マチ「…ふーん、これは荒れるね…」
『え?』
マチ「いや、何でもない。とりあえず入ったら?」
『うん!イルミ行こ?』
イルミと手を繋いだままマチの後ろをついて行くサクラ。
イルミを不安にさせまいと【彼氏】だと宣言したり、手を絶対に離さなかったり。本当ならマチに会った瞬間抱きつきたかったけれど、それも我慢した。
サクラなりに約束を守ろうとしていることがイルミにも伝わり、手をぎゅっと握った。
(今のところ大丈夫そう。この調子でイルミと一緒にいれば…うん、頑張ろう!)
心の中で改めて決意したサクラ。
だが、それは甘かった。
あのクロロとヒソカに、そんな決意が通用するはずはないのだ…