第18章 相愛 × 真実 ★
「…サクラ、イルミに受け入れてもらえてよかったね。これで僕は何も思い残すことはないよ。」
『…ありがとうネーロ。たくさん助けてくれて。あと、ごめんなさい、あなたのものにはなれません。』
「いいよもう。なんとなくわかってたから。」
『ネーロのおかげだよ。』
「はいはい。じゃあ僕はそろそろ行くよ。お邪魔みたいだし。」
『本当にありがとう!短い間だったけど楽しかったよ!』
「にゃー」
最後に猫らしくひと鳴きして、ネーロは霧のように消えてしまった。
『ばいばい、ネーロ。』
「…ねぇ」
『ん?どうしたの?イルミ。』
「さっきの続き、しよう」
『続きって…まさか…』
「うん、だってサクラがやらしい声出してたの思い出してもう我慢の限界」
『やらしいって…やめてよもう!』
「なんで?可愛いかったよ?」
こてん、と首を傾けるイルミ。おねだりモードに入っているようだ。
『それずるい!』
「ほら、もう黙って」
『んん…っ』
サクラの言葉を掬うように口付ける。唇の柔らかさをしばらく堪能し、舌先でつついて口を開けるよう促す。
恐る恐る開けば、ぬるりとイルミの舌が入ってきた。
これで2度目なのに、さっきとは比べ物にならないくらい気持ちよくてぞくぞくする。
上顎を舐められれば、蕩けるような感覚に落ちて思わずイルミの胸元の服を掴んだ。
(なにこれかわいい)
サクラの仕草にたまらなくなったイルミは更に口内を堪能する。
「んっ、ん」
くちゅくちゅと淫らな音が部屋とサクラの脳内に響く。
ようやく離れると、つぅっと銀糸がイルミとサクラの舌先を繋いでぷつりと切れた。
『っはぁ…イルミ…』
「ん?気持ちよかった?」
『そっ!そういうこと…聞かないでよ…』
「どうして?オレは気持ちよかったよすごく」
『!!』
(ねぇこの人は誰ですか?本当にイルミですか?偽イルミ?素直すぎて泣ける…)
「サクラ、何考えてるの?こんなときに考え事なんて余裕だね?」
おもむろにサクラの手を取って、そのまま自分の中心に誘導する。
「…余裕ないの、オレだけ?」
『!?!?』
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