第18章 相愛 × 真実 ★
サクラは、イルミが【HUNTER×HUNTER】という漫画の登場人物であることや、自分が漫画の世界のイルミに恋してたこと、いつも会いたいと思っていたこと、そして、この世界の当分先の未来がわかることなどを説明した。
「……」
『ちょっと一気に話しすぎたかな?』
「いや大丈夫だけど、全部信じろなんて難しい話だよね」
『うんそうだよね、わかってる。ただね、私がどこから来たとか、イルミがどうだとかそんなのは信じてもらえなくていいの。私がイルミのこと大好きだっていうのだけ信じてほしい。』
「…ふーん」
『ふーんって…こんなに好き好き言ってるのにその反応!すっごい恥ずかしいんだからねこれ!…それともまだ怒ってる?』
「怒ってる」
『ええっ!?ごめんなさいっ!』
「…サクラに先に言われた」
『え?』
「オレも、サクラが好き」
『うそ…』
「なんでこんなことで嘘つくの?」
『だっ、だって…』
感情を持っていないはずのイルミが、確かに「好き」と言ってくれた。こんなの、すぐに信じる方が無理だと思う。
『ほんとに?』
「うん。だからサクラのこと抱きしめてもいい?」
『な、にを急にっ!」』
「だめって言ってもするけど」
そう言ってサクラを強引に引き寄せると、もう離さないといわんばかりに強く抱きしめた。途端にサクラの涙が溢れる。
『…っ、イ、ルミぃ…ごめんね、大好き…』
「泣いてるの?」
『だって嬉しくて…っ』
「あー久しぶりのサクラの匂い」
『うぅ…っイルミぃ』
サクラもイルミを抱き返す。それに反応したイルミは一層強く抱き締めた。
「サクラ、…愛してるよ」
今までで1番柔らかな声が落ちてきて、サクラが見上げれば、注がれた眼差しが柔らかな色に染まる。
『うわぁぁん!イルミぃぃっごめんねぇぇっ』
「いいよ。でも、もうオレから離れるの絶対禁止ね。他の男と話すのもだめ。サクラはオレのなんだから」
『うんっうんっ』
イルミの言葉が胸を締め付けた。あのイルミがこんなにも感情を出して自分に見せてくれる。それが純粋に嬉しかった。
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