第17章 新生活 × 念
『んっ!』
「口、開けて★」
『んん!』
いやいや、と首を振ってもヒソカはサクラの唇を舐めるのをやめない。ちろちろと舐められればくすぐったさに思わず口を開いてしまった。
すかさずヒソカの舌がその隙間から入り込み、サクラの口内を滑る。
『んっ…』
そのキスの気持ちよさに身体から力が抜けていく。それに気付いてか、ヒソカがサクラを抱き寄せて更に深く口付けた。
『んんっ』
くちゅり、水音が響いて耳に残る。ヒソカの舌先から何かのオーラが流れ込んでるんじゃないかと思うくらい気持ち良すぎて、脳の奥が痺れてくる。
(な、んなの、これ…くらくらする…)
そしてしばらくサクラの口内を堪能し、ヒソカは離れた。ぺろりと自分の唇をひと舐めする。
「ごちそうサマ★」
『…っは、ヒソ、カ』
「ダメだよそんな顔しちゃ◆もっと欲しくなっちゃうじゃないか◆」
『…っや、だよ、お礼はもうおしまい…』
「うーんそうだなぁ★なかなか気持ちよかったし、今日は我慢するよ◆」
『……っ!』
”気持ちよかった”という言葉にサクラは耳が熱くなる。自分も気持ちよさを感じてしまったからだ。
(私最低だ!イルミだけとか言っておきながら!)
「くくっキミはかわいいねぇ◆キミがいくらイルミを好きでも、ボクは諦めないよ◆」
じゃあまたね、と言い残してヒソカは去って行った。
『はぁぁぁ…』
(自己嫌悪しかないや…今日はもう寝よう)
ばたっとベッドに倒れ込み、ネーロが飛び起きたのも構わずすぐに夢の中へ落ちていった。
────翌日…
サクラは早く起きて練をしていた。
(早く発ができるようにならないと、この世界では生きていけないからね)
どんな能力にしようかと悩みに悩んで、ようやく決めた。
トリップお決まりの特質系というチートを最大限に利用した能力プラスサクラの好きなお菓子を使った。
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