第17章 新生活 × 念
「おや★」
『ん?あっ!ヒソカ!!』
「こんなところで偶然だねぇ◆イルミに会いに行ってないのかい?」
『う、うん!なんかお仕事忙しいみたいで会えなかったんだ。』
「そう★(ボクはさっきまで一緒にいたけどね★)」
『というかちょっと困ってて…』
「うん?」
『色々あってねとりあえず家を探したいんだけどお金がないし身分証もないし携帯もないし何もなくてどうしようかと思ってて仕事もできないし特技もないし何もいい案が浮かばなくて途方にくれてたの!』
「…◆」
『?』
「くっくっ★キミは本当に面白いねぇ★」
『え?なんか今ので面白い要素あった?』
上機嫌で笑うヒソカを見て、サクラは少しだけ安心した。
「そういうことなら、ボクが全部用意してあげるよ◆」
『え!い、いやいやそこまでしてもらわなくていいよ!ごめんヒソカ!そういうつもりじゃ…』
「でも、何も方法がないんだろ?★」
『…はい』
「じゃあ大人しく言うこと聞きなさい◆」
『本当にいいの?』
「もちろん★ボクとサクラの仲じゃないか★」
『うわぁぁんヒソカありがとー!』
あまりの嬉しさにぎゅっとヒソカに抱きついてサクラは喜んだ。
───────
ヒソカの厚意に甘えて、マンションの一室(なんと即金!)と家具・家電一式、携帯電話、全てを買ってもらったサクラはなんとかこの世界での新生活をスタートすることができた。
『ヒソカありがとうね。絶望的だったから本当に助かった!ヒソカがいてくれてよかったよ!』
「くっくっく★じゃあお礼してもらおうかな★」
『えっ?』
ドン!と壁まで追いやられ、ヒソカの両腕で囲まれた。
『(か、壁ドン…!)あの、ヒソカ?』
「お礼はキミがいいな◆」
『や、やだなぁなんの冗談?』
「さぁ?★」
こんな時にネーロはすやすや眠っていて起きない。ベッドの寝心地が良すぎたようだ。
ヒソカの顔がどんどん近づいてきて、唇同士が触れそうなほど近くなる。サクラは観念して目をつぶった。
『…いいよ、お礼くらいなら。でも心はあげない。私はイルミだけだから。』
「そうかい?★じゃ遠慮なく★」
ヒソカが言い終わるのと同時に唇が重なる。温かい感触がしたと思えばすぐ、ぬるりという感触に変わった。
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