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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第15章 戦火の行方【沖田総司編】


にこやかに微笑む沖田さんに私は眉を八の字にする。

「えーと……。もしかしてですが、この子たちってみんな、沖田さんのお友達でしょうか?」
「うん。そんな感じかな。いつもお世話になってるんだ」
「そ、そうですか……」

普段の彼を見ていると、沖田さんが遊んであげる側だと思うけど、遊んでもらっていると笑顔で話す彼も彼らしいと思った。

「もしかして千尋ちゃん、僕たちと一緒に遊びたい?」
「え?い、いえ……」

突然の言葉に困惑しながらも、私は首を左右に振る。

「ですけど新選組の屯所に、子供たちを入れちゃって大丈夫なんですか……?」
「土方さんに見つかったら、まず間違いなく怒られるよね」
「そうでしょうね……」
「以前の山南さんだったら、一緒に遊んでくれただろうけど、今は八つ当たりされそうかな」
「でしたら屯所で子供達と遊ぶのって、物凄く危険ではないですか?」

原田さん達なら見逃してくれたり、平助くんや永倉さん達は遊びそうだけど他の隊士さん達はそうはいかなさそう。
見つかってしまえば大変じゃないだろうかと思い、恐る恐ると訊ねると沖田さんは笑顔で頷いた。

「他のみんなも怒りそうだしね。見逃してくれるのは君くらいだよ」
「でしたら誰かに見つかる前に、子供たちを帰した方が──」

そう呟いた時だった。

「俺たちのことに口出すなよ。どこで遊ぼうが勝手だろ?」
「えっ!?」
「外野は黙っててくれよな。俺たちは総司と遊ぶんだから」

子供たちの言葉に私は口を噤む。
どうやら沖田さんは相当子供たちに好かれているみたいだ。
だけど子供たちを放っておいて、本当に大丈夫なのかな……と悩みながら子供のひとりに話しかけた。

「でも屯所っていうのは、新選組の人がお仕事する場所であって遊ぶところじゃないんだよ?」
「総司だって新選組なのに、俺らと一緒に遊んでるよ?」
「え、あ……それは、その……」
「どうせ、大した仕事してないんだろ?」
「そ、そんな事はないよ。毎日皆さんで京を巡察して悪い人を捕まえたり──」
「京の平和がどうかとか言ってるけど、評判は悪いよね。人斬りとか」
「そ、それは……」

子供達の素直で悪気のない言葉に、私は言葉を詰まらせた。

「否定できないよね。僕たちは必要があれば、人を斬るのが仕事だし。これでも、無駄な殺しはしてないつもりだけど」
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