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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第14章 動乱の音【沖田総司編】


「新選組の皆さんが父捜しに協力してくれると言ってくれたとき、決めたんです。父を見つけるその日が来るまで、私たちは屯所から逃げ出したりしないって」
「私たちは逃げ出したりしません……。それに私たち、約束は守ります。なので、どうかお願いします。このまま父を捜させてください……!」

私は土方さんへと頭を下げて、千鶴も深々と頭を下げた。
やっと本格的に父を捜す事が出来たのに、また捜せずにもどかしい日々を送るのは嫌だ。
すると、沖田さんは困ったように微笑んでいた。

「危険を承知でついて来るって言うなら、僕の一番組に同行してくれて構わないよ?それに綱道さんらしい人を見たって言う証言もあるしね」
「たしかに、そういう証言もある。だが、危険だとわかってるところにみすみす出すこともねえだろ。わかってるのか?おまえらの足を引っ張りかねねんだぞ?」
「迷惑はかけません。お願いします!」
「お願いします!」

また、私たちは土方さんへと頭を下げる。
このままでは、父様が見つかる可能性が減ってしまうし情報も無くなってしまうかもしれない。
それだけは避けたいと思っていれば、土方さんが大きくため息を吐いた。

「……市中を巡察する組長の指示には必ず従え。いいな」
「あ……はい!ありがとうございます」
「ありがとうございます!」
「行くか行かないかは、おまえ達が好きに判断しろ」

土方さんの言葉に少し考え込む。
確かに危険かもしれないし、無理に行かない方がいいかもしれない。
でも、父様の事は捜したい。

その後、私は巡察に同行することに。
千鶴は危険の可能性があるからと、私が屯所にいるように言ったが、最初は『自分も行く』と言っていたが私の説得に折れてくれた。

「にしても、君は本当に千鶴ちゃんに対して過保護だよねえ」
「千鶴には危険な目にあってほしくないので……。あれ?今日はなんだが、いつもより人が多いですね」

京の大通りはいつもより人が多い。
そのことに不思議に思いながら辺りを見渡す。

「ああ、祇園祭も近いからね」
「祇園祭ですか…」
「うん。あ、千尋ちゃん。町が浮きたっているからって、それに気を取られて離れないようにね?」
「あ、はい!気をつけます!」

京の大通を歩いていれば、京の人達は浅葱色の羽織を目にした途端、新選組を避けるように道端へ寄った。
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