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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第2章 新選組【共通物語】


「女子が自ら剣術を学びたいと志願するのは珍しいな……。良いだろう、時間がある時だけになるが稽古を付けてやる。だか、女子と言って容赦はしないが良いな?」
「……はい!ありがとうございます!!」
「では、部屋に戻れ」

そうして、私たちは部屋に戻り、土方さんに外出できるように進言してくれた人が増えた事に喜んだ。
同時に私は稽古を付けてくれる人が出来たことに喜んでいた。

今よりも、もっと強くなれば千鶴をちゃんと守れる。
その事に凄く喜びを感じながら、刀を握りこの場にはいない父様に語りかけた。

(父様。もっともっと強くなり、千鶴を必ず守ります)



時間は過ぎ、夕日の差し込むころ。
私と千鶴はぼんやりと夕日が差し込む部屋で過ごしていた。

「いつまで、こんな生活が続くのかな……」
「そうだね……」

土方さんが戻られ、外出許可が出るまで外には出れない。
そして父様が見つかるまで、私たちはこの新選組の屯所で過ごすことになる。
早く父様をみつけて、三人で江戸に帰りたい。

「父様が無事かどうかなんて、ここに閉じ籠っている限りわからないし……。いつになれば外出許可が下りるのかも、出張中の土方さん次第……」
「今はただ、待つしかないね……」

お互い寄り添いながら考えるけれども、不安ばかりが増していく。

「私ね、正直なところを言えば、新選組を完全に信用できたわけじゃないんだ。彼らは簡単に人を殺せる。私達のことも状況次第では迷わず殺すだろうし」
「確かに、信用出来るわけじゃないよね……」
「でも……今のところ、皆さん、良くしてくれてるし……。……きっと、根はいい人たちだよね?」
「……そうとは、思えないけど」

なんて呟いた時であった。

「千鶴ちゃんさ、騙されやすい性格とか言われない?」
「ど、どど、どうして沖田さんがっ!?」
「あれ、もしかして気付いてなかったとか?この時間帯は僕が君たちの監視役なんだけどな」

千鶴は気付いていないと思っていた。
何となく人の気配はしていたから、監視役の人が居るとは思っていたけど……。
なんて思っていれば千鶴は慌てながら沖田さんに聞いていた。

「もしかして、今の私たちの会話も全部……?」
「ん?何か言ってたの?」

聞かれていた。
いや、聞かれていない方がおかしいだろうと思っていれば斎藤さんが顔を覗かせていた。
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