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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第2章 新選組【共通物語】


どうやら、自分の小太刀が弾かれていたのに気付かなかったのだろう。
気づかないぐらい、斎藤さんの居合いはとんでもないものなんだ。

「す、すいません!ありがとうございます!」
「大丈夫?やっぱり驚いたかな?一君の居合いは達人級だからね」
「なんとか……大丈夫です。でも居合いって……?」
「雪村の妹の方は知っているようだが、帯刀状態から、抜き打ちの一撃を放つ技だ。抜刀直後の刃が上向いているのはわかるな?」
「はい。私の小太刀と同じように斎藤さんの打刀も、刃が上向きになるような帯刀するんですよね?」
「そうだ。昔の太刀は刃を下に向けて吊るしていたが、今の打刀は腰に差すために上向きにする。本来であれば刀身が鞘から抜け切るまで待ち、刀を返して相手に刃を向ける手間がかかる」

なので、もし千鶴を殺すつもりだったら斎藤さんがその返された刃で千鶴をばっはりとやっていたに違いない。

「居合は片手で抜き打つことが多いから、結果的に威力が下がって実用性は低いなんて言われることもあるんだけどね」
「……でも斎藤さんの居合は、威力が低いどころか一撃必殺ですね」
「うん。もし一君が本気だったら……千鶴ちゃんの小太刀を弾いた後、即座に追撃してトドメを刺してたと思うよ?」

とんでもない居合いの達人の人だ。
もし、斎藤さんが私たちを敵と見なしていればあっという間に殺されるだろう。
そん考えると背中がぞくりとした。

「これが、居合い……」
「次は、雪村の妹の方だな。確か、先程姉の方が何度も勝っていたと言っていたが……腕に自信はあるのか?」

斎藤さんはそう言って私の方を向いた。
確かに、通っていた道場では何度も勝ってきたが今の斎藤さんの居合いを見れば自信があるとは言えない。

「自信があるとは言えません。ですが、自分自身を……守るぐらいの腕はあるとは思ってはいます」
「……そうか。では、何時でも打ち込んできていいぞ」

刀を抜くと、私は道場で教えたられた事を思い出し刀を構えながら斎藤さんを見る。
相変わらず刀を抜いていない状態であり、また居合いで来るのだろうかと考えながらも刀を強く握ると地面を蹴った。

そして刀を下から持ち上げ斎藤さんを狙うが、直ぐに避けられたが、刃の向きを変えて斬り掛かろうとしたがやはり腕が違いすぎた。
斎藤さんにすぐさま刀を弾かれて、首に刃が当てられた。
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