• テキストサイズ

君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第9章 修羅【土方歳三編】


そんな話をしながら、ふとある事を思い出した。
お千ちゃんと話している時に、【誰か心に想う人がいるの?】と聞かれた時に千鶴は頷いていたことを。

「そういえば、お千ちゃんに【心に想う人がいるの?】って聞かれた時に千鶴、頷いてたよね。もしかして……相馬君?」
「……え!?」

私がそう聞いた瞬間、千鶴は目を見開かせながら顔を真っ赤にさせていた。
その反応を見る限り正解らしく、私は思わず笑ってしまう。

やっぱり相馬君だった。
千鶴は、彼といる時はすごく楽しそうにしていてよく笑っている。
だからなんとなく、もしかしたらと思っていたけど私の予想は的中していた。

「な、なんで分かったの……?」
「それはもちろん、千鶴の事は何でも分かるから」
「……そ、そういう千尋の想ってる人は、土方さんでしょう?」
「……え?」
「やっぱり!顔が真っ赤だよ、千尋」

私は慌てて千鶴から顔を逸らした。
だけど、千鶴の言葉は正解であり、私は否定することが出来ずにただ顔を赤くさせているだけ。
すると千鶴は笑いながら私の顔を覗き込んでくる。

「私も、千尋の事は何でも分かるんだよ。千尋も土方さんといる時は楽しそうにしているし、よく土方さんといるから分かり易いよ」
「そ、そっかあ……」

二人して顔を真っ赤にさせている時だった。
外から、刀同士がぶつかりあう激しい音が聞こえてきて目を見開かせた。

「雪村君たち、夜分遅く失礼します!」
「島田さん!?」

廊下から島田さんの声が聞こえてきて、それにも驚いてしまった。
慌ててふすまを開ければ、島田さんの表情は緊張した様子でありすぐに部屋へと入ってくる。

「何があったんですか!?」
「……はい。鬼たちが、屯所に襲撃をかけてきました」
「そんな!?」
「ええっ!?」

まさか、お千ちゃんたちが去ってすぐに風間千景達が襲撃してくるなんて。
その事に驚いていれば島田さんは緊張した面持ちのまま、私たちに話をしだす。

「奴らの狙いは君たちです。この部屋で、じっとしていてください」

確かに、じっとしている方が安全なのかもしれない。
でも、今外はどうなっているのかが気になり、外から聞こる刀同士がぶつかりあう音を聞きながら島田さんに聞いた。

「島田さん。外の状況は、いったいどうなっているんですか?」
/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp