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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第2章 新選組【共通物語】


「あれ、おかしいなあ。この子たち、誰かさんの小姓になるんじゃなかったですか?」
「……いいか、総司。てめえは余計な口出しせずに黙ってろ」

そんなやり取りが、あの日の夜あって今に至り私たちは各部屋に籠ったり二人の部屋を行き来していた。
不便なのは不便だが文句は言えず、ただただ時間がすぎるだけだ。

「男装が嫌なんて、言っていられないね。これは新選組に置いてもらう上で、どうしても必要なことだし……」
「そうだね……。それに、京に来るまでずっと男装していたから、袴での生活は少し慣れてるしね。それに、護身術とか剣術を習いに行ってた時は袴だったし」

それに、千鶴は途中で護身術の稽古は辞めたが私は時間があればずっと通っていた。
稽古の時は流石に女物の着物では出来ないので、袴で稽古していた。

自分の格好を見ながら、腰に差していた刀へと目線を移動させる。
この刀は幼い頃に父様から渡された、とても大切な雪村家に代々伝わるとても大切な刀。
でも私は刀は苦手で、千鶴もそうだ。

「刃物はやっぱり苦手だね……」
「そうだね」
「刃物は人を傷つけるものってのもあるけど、私たちの場合は…体質なのか分からないけど小さな傷なら翌日には治っちゃうし」

そう、私たちはある特殊体質を持っている。
普通の人なら数日では治らない傷が、私と千鶴は数日で治ってしまうのだ。
私はこの体質の理由は知っているけど、千鶴は知らない。

「父様からは、天からの授かり物だから、人には言わないように言われたけど……。気味悪るがれられるから言えないよね」
「……そう、だね」

だが、私と千鶴は同じ体質を持っていても少し違うところもある。
私も勿論、傷は治るのは他の人達よりは早いが千鶴よりは治りが遅い。

「父様と千尋以外の人との生活で、不安になるのはこの体質だね」
「確かに……。バレたくはないよね」
「でも、他に不安なのは……隊士さんたちの目が、なんとなく冷たい所かな」
「……まぁ、突如現れた得体の知れない子供達が幹部並みの扱いを受けてるからね」

不満があるのだろう。
突如現れた、幹部並みの扱いを受けている子供達。
しかもちゃんとした説明が無いから余計に不満しかないはず。
目を見ていれば、態度を見ていれば分かる。

「仕方ないといえば、仕方ないよね……」
「うん……」
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