• テキストサイズ

思いつき短編たち

第1章 月夜の悪戯の魔法-シャンクス@海賊



(おいしい、)
温かなスープはじんわりと体に染み渡る。

「うまいだろ?うちのコックの腕は確かだぜ」
ニッ、と白い歯を見せて笑い、テーブルに頬杖をつくシャンクス。
「とても美味しい。いつもこんなに美味しい料理を?」
丁寧な所作で食事を進める🌸を眺め、なあ、と声をかけた。

「なんで体、売ってんだ?」
「それしか稼ぎようがないからよ。生きるために抱かれるの」
「死にそうな顔してか?」
「え?」
まっすぐに見つめる瞳のブルー・グレイに、ん、と息が詰まる。

「俺の気の所為ならそれでいいが」
食事のトレーに乗っていた酒瓶から、グラスに注ぐ。
「男に抱かれながら、『なんなら殺してくれ』と言っているように見えてな」
くいっ、と、一気に煽る。
どうなんだ?と酒に濡れた唇を舌で拭う。

皿に置いたスプーンがカチャンとなる。

「あなた、人の心を読めるの?」
新たに酒を注いだグラスに唇を付けたシャンクスは、少し置いてケタケタと笑った。
「んわなけあるか!そう見えたってだけだ」
グラスの半分ほどを飲んで、だが、そうか。と揺らす。
「死にたいか?」
中の氷がカラカラと音を立てる。
「『生きたい』とは思わない」
「そうか」
残りを飲み干すと、テーブルに片腕を置く。

「お前の一晩はいくらだ?」
「あなたならいくら払ってくれる?」
「決めてないのか?」
ごちそうさま、と綺麗になった皿にスプーンを置く。

「ええ、私の価値は殿方に決めてもらってるの」
満足してもらえたならそれなりに頂いてる、と微笑む。

「そんなもん、抱いてみねぇとわからねぇだろ」
「じゃあ抱く?」
立派なベッドがあることだし、と背後を振り返る。

少し逡巡したシャンクスは、徐ろに立ち上がってベッドへと歩み寄った。
食器をトレーに片付け、丁寧な所作で立ち上がると、彼の横に立つ。

「お好みは従順な女?それとも、半グレな方がお好き?」
「その時の気分だな」
ベッドに腰掛けたシャンクスは、ポン、と隣を叩いた。
並んで腰掛ける。

「嫌がる女に燃えるタイプ?」
「いや。どちらかといや、快楽に溺れてる女を責め立てたいタイプだ」
「一番タチの悪いタイプね」

クスクスと笑う細い体をそっとベッドに横たえた。
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp