第4章 SAYONARAベイベー-シャンクス@現代パロ
「お疲れさまでしたっ!」
差し出された保冷剤を引っ手繰って睨み上げる。
「どうやって集めた?あんな人数」
鉄の味がする口内。
何発かは舌を噛んだ。
「掲示板。『この人とワンナイトした子いる?彼女いるらしいから復讐したい』って書き込んだ」
書き込んだ本人がその彼女だとは、まさか誰も思わないだろう。
うまいことやったな、と口に溜まった血を吐き出した。
「私は満足したら、これ、返すね」
ギュッ、と何かを手に握らされる。
「さっ!地獄への第一関門突破、お疲れさまでしたっ!」
その手を握ったまま、明るい声を出す。
「さて、地獄への扉が開いた先にはなにがあるでしょーか?」
はい、シャンクス君、と名指しされる。
そりゃ地獄そのものだろう、と黙る。
「正解は、『地獄』でしたっ!」
だろうよ、と睨むと道の向こうからやってくる一台の車。
同じ路肩に止まる。
その車には見覚えがあった。
「ベック?」
眩しいライトが消えると、紫煙とともに降りた背の高い影。
こっち~、と呑気に手を振る🌸に、なんでベックが、と親友と彼女を見やる。
「遊びが過ぎたな、シャンクス」
「ベック、お前...なんで」
叩かれた腫れた頬で座り込む彼を一瞥すると、咥えていた煙草を携帯灰皿に押し付ける。
「なに、『恋人』を迎えに来たまでさ」
恋人?と見上げると、🌸が彼の腕に細い腕を絡みつかせた。
「ありがとう、迎えに来てくれて」
「は、」
呆然と見上げるシャンクス。
「行こっか!」
「っ待てっ!🌸ッどういうつもりだ!」
ベックマンの腕に掴まって、彼の車へと向かう背中に叫んだ。
「いいのか?」
「バイクあるし。タクシーも呼べるでしょ」
行こ、とベックマンが開けた助手席に乗り込む🌸。
待って、なんで、と呆然と繰り返すシャンクスを置いて車は走り出した。
わずかに隣を駆け抜けた車窓から、運転席の彼の肩へと甘えるように凭れ掛かる彼女。
彼女が残したのは、彼女だけが持っていた合鍵一つ。
end