第4章 SAYONARAベイベー-シャンクス@現代パロ
後退るシャンクスの背中を押す🌸。
「『全員切る』って言ったよね?」
「言った、けど、よ」
ヒクリ、と口元が引き攣るシャンクス。
「たぶん、そのスマホに入ってる女の子たちはみーんな、いるはずだから」
嘘だろ、と寒気を覚える。
「とりま、一発ずつ平手打ちでも食らっとく?」
🌸の言葉に、いやいやいやっ!と手を振る。
「何発喰らえば終わんだよっ」
「男なら20〜30発のビンタくらい耐えてみせなさいよ」
「首、イカれるぞっ」
「耐えろ、男なら」
「無茶言うんじゃねぇっ」
「仕方ないなぁ、じゃあ、金的にしとく?ビンタよりは浮気防止になるでしょ?」
「死ねってかっ!」
「求刑は死刑なのよ。判決はビンタなんだから情状酌量なのよ」
ガッ、と腕を掴まれて、待て待て待てっ!と尻込みする。
「どなたからでもどうぞ~!」
「ちょ、心の準備がッ」
前に射した影に、こいつは覚えがある、と曖昧に笑う。
確か、逆ナンされてホテルにもつれ込んだ女だ。
「彼女、大事にしなきゃじゃん」
ね?と笑う女に、仰るとおり、と歯を食いしばる。
パンッ、と小気味のいい音と左頬に熱い痛み。
「ってぇ」
「じゃあな!最低野郎っ」
カッ、カッ、カッと遠ざかる靴音と近づく靴音。
「『彼女公認』って言ったくせに」
(いや、それは言ってない)と、🌸と同じシャンプーの香りがしたからつい声をかけた女から一発食らう。
「逆の頬にしとくね」
「お気遣いどうも」
まだ食らってない頬にクリティカルヒットさせた彼女は、バイクを褒めてきた女だ。
その後も覚えにある女、ない女に路上でかわるがわる平手打ちをくらい、🌸の、あら、もう最後?と言う声が聞こえた頃には両頬の感覚は無くなっていた。
「っ待て!お前に打たれる覚えはねぇぞっ」
去っていくか見守っていた彼女たち。
最後の彼女は、🌸が差し向けた彼女の親友だった。
「私の一発は大事な親友を傷つけ続けた分!
『彼女の親友さえ覚えてない』薄情な彼氏さんっ」
道理は通っている、と目を閉じた瞬間に食らった一発が、一番重たく脳に響いた。