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思いつき短編たち

第4章 SAYONARAベイベー-シャンクス@現代パロ



なにがどうなってる、と長い前髪をグシャリと握る。

「彼女と、何したの?」
睨みつけてくる🌸に、えっと、と思い出す。

「彼女が、シャワー浴びてる間に...彼女の彼氏から、電話が入って、」
そうだ。
長く鳴り続けるから、電話だぞ、と浴室まで届けたのだ。
焦った彼女が、電話出るから静かにしてて!とタオルを巻いただけで話しだした。
その後姿が、🌸と本当にそっくりで...

「っあ!」
「無理やり電話取り上げて、『野暮用があんだよ、彼女には』ってブチッたね」
「...電話、してたのは」
私よ?と🌸は冷たく笑った。
「っいや!でも名前も声も、男だったぞ!」
冷めた目で携帯を操作する🌸。

 ♪〜

鳴り出した自身の携帯に驚く。
ポケットから取り出した画面には、🌸からの着信。
🌸に戻した目線を固めたまま、ゆっくりと耳に当てる。

「-ねぇ、誰といるの?-」

眼の前と耳元から聞こえた声。

「は?」
「-今どこ?-」
驚愕した顔のまま固まるシャンクスに🌸は続けた。
「-なに考えてんの-」
耳元には、たしかに男の声。
「-嘘つき-」
ストン、と目の前にしゃがみ込んだ🌸の声は、シャンクスが気に入っている大好きな可愛らしい声。

電話を切ると、その画面を見せてくる。

「便利な世の中。通話の声を、変えてくれるのよ」
本来は、特異な声や話し方で通話に困難性や苦痛を抱える人のためのものだけれど、と画面を操作する。
「『いたずら目的での使用は禁止』。」
ふぅん、と少し首を傾げる。 

「浮気を繰り返す男への天罰って、いたずらかな?」

ねえ、どう思う?と笑う顔の冷たさに、ゾッと背筋が凍りついた。

「なんで、そんな、手の込んだ事」
「一回は『地獄』、見といてもらおうかなって」
「地獄?」
「ほら、シャンクスは強いから。先にどこかしら痛めつけておかないと、中々地獄まで落ちてくれそうにないから」
「先に」という言葉に首を傾げる。

す、と立ち上がる。

「それじゃ、あとよろしく!」

叫んだ🌸は、くるりと背を向けた。

よろしくってなんだ、と振り返る。
「なっ!」
いつの間にか、そこにはズラリと女、女、女。
見知らぬ、いや記憶に残っていない顔から、名前くらいは思い出せそうな顔。
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