第4章 SAYONARAベイベー-シャンクス@現代パロ
「お友達で、とかも無し。連絡先も消してさ。他人にもどっ!」
ガシャン!と大きな音に再び歩き出した🌸が驚くと、あんなに大切に乗っているバイクがスタンドも立てられずに放りだされて、黒と白のヘルメットが転がっていた。
目の前に立ったシャンクスを見上げる暇もなく、ガバッとその大きな体が体当りしてきて、勢いに耐えられずコンクリートに座り込んだ。
バササッ、と鳥が木から飛び立つ音がする。
「ぃゃだ」
かすかな声に、すっぽりと隠されてしまいそうな大きな背中を撫でる。
「試すようなことして、悪かった」
「...もう、いいよ」
「うん」
巻き付く腕に力が込められる前に立ち上がる。
「もう、やめよ?」
「女は、全員切るから」
「その全員に、私も入れてね?」
「嫌だって言ってんだろっ!」
伸ばされる腕を避ける。
「あんたさぁ、都合良すぎない?」
低めの声を出すと、ああ?ともっと低い声が返ってきた。
倒れたバイクを挟み、座り込む男と仁王立ちの女。
「別に良かったよ。浮気くらい。二股くらい。ワンナイトくらい。そのうちのラインナップに入れてもらえてるだけで幸せだった!」
「なに言ってんだ、」
「けどさぁっ!」
再度突きつけられた携帯の画面。
バイク越しのそれを見て、シャンクスは目を見開いた。
「な、んで」
画面に伸びた🌸の指先が映像を再生する。
携帯の画面の女に見覚えがある。
ネイリストの女だ。
確か、数ヶ月前に飲み歩いて辿り着いたクラブで声をかけられた。
『🌸、じゃ、私は出るから。アンタの一応の彼氏、女の子に手慣れすぎ。こっちが騙されてるのかと思った!🌸の面影なんで、これっぽっちも見せないんだもん。切るなら早めにこっぴどく切ってやんな!協力するから。いい?別れなさいよっ!』
そこで止まった動画に、あれ、と目を細める。
「彼女、知ってるでしょ?」
あ?と目線を上げる。
「こいつは、俺からじゃない。向こうから、」
「そうじゃないっ!」
叫んだ🌸が再び突きつけてくる画面。
「っあ!」
「彼女の親友さえ覚えてないのに、きっちり手は出すんだねっ?!」
違う!と言いかけて(いや、違わない)と押し黙る。
「ホテルには、行った。けど!抱いてねぇ!」
「当たり前じゃない!まだわかんないのっ?!嵌めたんだよっあんたのこと!」
