第1章 好きと言わせたい
こっちって……
っちのマンションの方向と逆っスね…
なんか用事があるとかっスか……?
っちの後を尾行すると、通学路から大きく離れ…どこかへ向かっていた。周りは高級住宅街で…辺りをキョロキョロしながらっちを見失なわないようについて行く。
すると、っちは1番奥にある家…というか…屋敷へと呼び鈴を鳴らすと門が開きその中へと入っていく。
流石に中に侵入するわけにもいかなくて…っちが入った屋敷を見渡すと日本の家屋というより…海外ドラマとかで出てくるお城に近い建物…
「…如月……?」
俺は表札を見ても、っちが何の用でここに来たのかわからなくて…出てくるまで待つことにした。
「もうお帰りですか…?」
「…………」
「それでは、お嬢様…
また1ヶ月後…楽しみにしてますね?」
「…………」
「そんな怖い顔なさらないでください。」
30分ほどしてからっちが屋敷から出てくると、見慣れない燕尾服の男と一緒にいるのを見た。
2人の関係性がわからなくて、聞き耳をたてると『お嬢様』という言葉に驚く。っちは燕尾服の男を睨みつけるとすぐにその場を早々に去っていく。