第1章 好きと言わせたい
「っち、昨日…ごめん…
俺…っちの気持ちも考えずに…
詮索するようなこと言って…
もう、昨日の話は誰に話さないし…
俺からも話はしない。」
「っ…!」
「俺…待ってるっスよ…
っちが話してくれるの…
だから…許して…くれないっスか…?」
「……涼太…!?
ちょ…やめてよっ!
そんなことしないでっ…!」
涼太は嬉しそうな表情を浮かべるとすぐに真剣な表情で私に頭を下げる。
私が一方的に怒っただけなのに…涼太の謝る声は震えている。
何も反応しないでいると、とうとう地面に頭をついて土下座の姿勢を取り、謝ろうとするのを見て私は慌てて止めに入る。
「なら…許してくれるっスか?」
「許すも何も…私が一方的に腹を立てただけでしょ…
涼太が悪いわけじゃないんだから…」
「いや…昨日のは俺が悪いっスよ…
っちのこと何も知らないのに…
知った気でいて…
っちの気持ちとか…
何も考えてなかった…
本当にごめん……」
土下座のパフォーマンスを止めさせると再び私はベンチに座った。
涼太は悪くないのに…
私に何度も謝る。
私のことなんてほっとけばいいのに…
急に大声出して怒鳴ってしまったのに…
なんで私にそこまでこだわるの…?