• テキストサイズ

【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第8章 可愛い後輩




自室で綺麗めな白のワンピースとカーディガンに着替え、ジンの部屋まで走る。

その間に誰にも会いませんように・・・と祈りながら。


私の頭の中はジンでいっぱいで。

早く会いたくて・・・会いたくて・・・

足よりも気持ちが前へ突っ走っていた。



あの角を曲がればジンの部屋に着く・・・



「っ!?きゃっ・・・」



あと少しという所で盛大に躓き、大きなものにボスッとぶつかって。


「いった・・・・・・っ!!」



鼻腔をくすぐる癖のある強い匂い──

私が大好きな匂いだ。

目だけを上に向ければ、私を見下ろすジンと視線が絡み合う。


「あっ・・・ごめん・・・なさい・・・ぶつかっ・・・」

「遅いんだよ、バカ」



ジンの香りと煙草の匂いに包まれて・・・私の居場所に帰ってきたのだと安心する。


数日前まで自分から避けていたのに、たった1日離れていただけで胸が締め付けられるほど苦しくて寂しかった。

彼の側にいないと落ち着かない。


・・・これでは、依存しすぎだと呆れられるだろうか。




「遅くなって・・・すみません・・・。ジン・・・・・・会いたかった・・・」

「・・・・・・バーカ。俺のセリフだ」

「んっ・・・」


ちゅっ・・・とジンの唇が押し付けられる。

誰か来るかもしれないと考える余裕もなく、ただただジンが欲しくて。


離さないで・・・と想いを込めてキスをしながら彼の瞳を見つめると、眉がピクッと上がり眉間に皺が寄った。



「・・・チッ・・・こんな顔見せられねぇ」


こんな顔とは・・・どんな顔だろう。

私だって誰にも見せたくない。


熱が籠った色気のあるジンの顔・・・。




ジンは部屋に入る為に私の腰を抱えてくれて。

早く愛されたいと身体が疼き出す。



扉を開けるジンの顔が近付いてきて、その様子を薄目で見ていた。









「ジンさんいらっしゃったんですね!!きゃあっ!かっこいい!!」







アジト中に響き渡る声に、2人の唇は重なる寸前に止まる。





本当にバカだな・・・・・・私。



ギムレットの存在を完全に忘れていた────




/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp