第7章 ライムを添えて ※
蕩けた瞳に濡れた唇、首筋に付けたキスマークが俺を誘う。
指で達したミモザは脱力し、思うように口が回っていない。
このまま抱いても明日になったら忘れてるんじゃねぇか?
初めてコイツを抱くというのに、覚えてないと言われるのは結構堪えるような気もするが・・・。
なにより・・・・・・今はゴムを持っていない。
生で挿れてしまったら途中で外に出すのは不可能だ。
側にいると触れたくなってしまう為、ミモザが寝るまで部屋の外にいることに決めた。
「ジン・・・ッ!!」
「なッ・・・お前・・・・・・」
部屋を出ようと歩き出すとミモザに呼び止められ、ぎゅうっと背後から強く抱きしめられる。
コイツから抱き付かれるとは思いもせず、突然のことに動揺してしまった。
「ジン・・・・・・離れ・・・ない、で・・・・・・側に・・・いて・・・・・・」
俺を殺す気かよ・・・。
こっちは死ぬ気で堪えてるんだぞ。
ミモザのか細い声が俺の心を震わせる。
「・・・・・・外で煙草を吸ってくる。シャワー浴びてろよ」
「いやっ!!・・・・・・ジン、お願い・・・。抱いて・・・ください・・・ッ」
耳を疑った。
「抱いてください」・・・・・・?
ミモザが言ったのか・・・?
ドクンと下半身に血液が集中し、服の下から早く出せと押し上げている。
「ジン・・・好き・・・!抱い、て・・・ほし・・・・・・」
「バカ野郎!それ以上言うな・・・ッ!!・・・・・・今日は・・・無理だ・・・」
「や・・・いやっ・・・・・・な、んで・・・いつ・・・も・・・・・・!!」
泣いているのかグスッと鼻を啜る音がして。
泣く程のことかよ・・・。
もしかして、コイツも今まで我慢していたのだろうか。
俺だけが求めていて・・・俺だけが欲しているのだとばかり思っていた。
お前も・・・・・・同じ気持ちだったと自惚れても良いのか?
「ジ、ン・・・・・・行かな・・・・・・で・・・・・・っ」
「ミモザ・・・・・・」
俺を求め必死に縋り付いているミモザが愛おしくて仕方がない。
愛している女にここまでされて・・・断れるわけねぇだろ。
ミモザの手を緩めて後ろに向きを変え、ありったけの想いを込めて力強く抱きしめた──