第7章 ライムを添えて ※
「お2人ともお美しいですね。よろしければ、僕たちもご一緒させていただいても?」
突然、2人組の男が話しかけてきた。
紳士のように振る舞っているが上から下まで舐めるように見られ、下心を隠せていない。
セクシーなベルモットに釣られて来たんだ・・・。
「えぇ、喜んで」
「えっ!?何言ってるんですか!いやらしい目で見られてますよ!」
断ろうとしたらベルモットが承諾してしまい、小声で抗議する。
「見られているのはあなたよ、ミモザ。さっきから周りの男がチラチラ見てる。独り占めできるって言ったでしょ?」
「なっ・・・何で、私・・・・・・!」
それだけこのドレスが目立つということか・・・。
ハニートラップなら堂々と誘いに乗っていたが、今日はプライベートのようなもので。
「いや〜本当にお綺麗ですね!お名前お伺いしてもよろしいですか?」
「・・・えーっと・・・・・・丸音瑠愛、です」
無視しようかとも思ったが、こんな所でもし騒動を起こされたらかなり面倒なので仕方なく偽名を教えた。
舌舐めずりをしながら私を見る男の視線に吐き気がする。
任務でもないのに、どうでもいい男の相手をしなければならないなんて・・・。
最高だった気分が急降下した。
「瑠愛さん。今夜、コールドムーンが見られる日なのはご存知ですか?」
「・・・・・・コールドムーン?」
「えぇ。寒い月なので12月の満月はコールドムーンと呼ばれているようです」
「へぇ・・・・・・」
随分と慣れているものだ。
こうやって普段から女を口説いているのだと悟った。
「せっかくなので外へ見に行ってみませんか?僕、見たことないので付き合っていただきたいです」
「・・・ごめんなさい・・・私は結構です」
「今年最後の満月ですよ。すぐ戻りますから、少しだけ・・・」
「ね?」と太腿に手を置かれる。
薄いレースの上からゆっくり撫でられ、ピクッと身体が跳ねてしまった。
もう片方の手は腰に回され密着しているため、周りからは抱きしめられているように見えるだろう。