第7章 ライムを添えて ※
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「わぁ!綺麗・・・」
今にも掴みかかってきそうなジンを置いて、とある部屋に招かれた。
中には煌びやかなドレスやアクセサリーがズラリと並んでいて。
ほとんど黒だが赤や紫などのカラードレスもある。
「さすがですね、こんなにたくさん・・・!どれも露出が多いですけど・・・」
「肌もアクセサリーの一部よ。出せる所は出しなさい?」
・・・これはベルモットだから言えるセリフだ。
私だって彼女のようにスタイルが抜群だったら、積極的に出しているだろう。
あぁ、でも・・・・・・ジンに怒られるか。
ドレスを見ながら上の空になっているとベルモットにクスッと笑われた。
「あなたもそれなりに肌を見せていたと思うけど・・・今の服装は"何かあった"と言っているようなものよ?」
「あ・・・あはは・・・そうですよね・・・」
確かに・・・首、手首、足首までも見えない格好を突然し出したら怪しまれるのも無理はない。
「あの男、ミモザに関しては煩いものね」
「・・・これは、まぁ・・・・・・自分の為です」
ベルモットはジンのことを言っているのだろうが、バーボンとのことも気付いているはずだ。
「ま、今夜くらいは良いわよね?あなたのドレス・・・こんなのはどうかしら」
「えっ・・・」
彼女が見せてくれたのは、花模様のレースでウエストがキュッと絞られたロングドレス。
明るく華やかな黄色で、胸元と背中は開きすぎていないから安心だ。
「素敵・・・可愛いですね!これ、私が着ていいんですか?」
「もちろんよ、ミモザ色を選んだの。バーにいる男たちの視線を独り占めできるわよ!」
「バー・・・・・・バー?え・・・さ、さすがにこの色は派手すぎませんか!?」
私のコードネームに合わせて用意してくれたのは嬉しいけど、バーに行くならもっと落ち着いた色の方が・・・。
「ヘアスタイルは・・・そうねぇ、巻いてハーフアップなんてどうかしら?ピアスは揺れるものがいいわね。ネイルもするわよ!」
「は・・・はい・・・」
楽しそうに私をスタイリングするベルモットに、なされるがまま・・・。
しかし、着飾ることは滅多にないので心が躍る。
噛み跡が消えて本当に良かった・・・。